2007年11月30日金曜日

輸血はどれほど安全かーその5

同意書

近年になって、手術などで輸血の必要性が想定される場合、輸血に対する同意書の提出が義務付けられた。これはインフォームドコンセントの一環であり、どのような医療を受けるかに関して、患者自身の自己決定権を守るものである。ここで大切なことは患者自身が輸血の危険性を十分理解した上で自分で決定することであり、従ってその決定に関しては患者自身が責任を負わなければならないことである。同意書には輸血に関係する危険性についても簡単ながら書かれている。これに同意の意思表示をすることは、明示されている種々の問題が輸血に伴って生じても、医療機関側の責任を問わないことを意味する。もし輸血が100%安全であれば、医療機関がそのような書類の提出を求める必要はない。医者や病院側が輸血の安全性を保証するのであれば、同意書など不要なのである。輸血には予知できない危険が伴うからこそ、その責任を回避するために同意書の提出を求めるのである。これに同意するには輸血に伴う危険性を正しく理解するとともに、そうした問題が生じる可能性を受け入れる必要がある。もちろん同意が強要されているのではない。選択の権利は患者側にあり、輸血を拒否することもできるのである。

こうした決定は命が関係する極めて重要なものである。後悔しない決定をするためには本ブログに記載した程度の情報は最低限知っておく必要がある。また、こうした情報を理解して冷静に判断するには、手術が必要とされる緊急な、或いは動揺した状態の時ではなく、そうした状況に置かれる前に知っておくことも大切である。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

オカルト通信の管理人、中村です。
さて、この輸血の話は、とても参考になりました。
そこで近いうちに、私のブログで、輸血と臓器移植の記事を書きたいと思います。
そのときは、また、こちらのブログにリンクさせてもらいます。