2007年11月30日金曜日

輸血はどれほど安全かーその3

薬品としての承認

特定の物質が医薬品として認められるには数年をかけて数多くの関門を通過しなければならない。動物実験や臨床試験でその薬品としての効果が実証されると共に、重篤な副作用が無いことが確認されなければならない。然るに、医療現場で多量に用いられている輸血用血液だけはそのような過程を経ていない。体内の殺菌作用や解毒作用を受ける内服薬ですら慎重な予備検査が行われるのに比べ、さまざまな危険性を有している血液が血管に直接注入されるのはどうしたことか。もし血液に対して動物実験や臨床試験の過程を適用するなら、その重篤な副作用の故に、決して医薬品として承認されることはないだろう。

参考までに、日本輸血・細胞治療学会は次のように述べている。

『赤十字血液センターに報告された輸血副作用の集計(2001年)で、 最も多い副作用は非溶血性副作用である。その内血圧低下で51%、 アナフィラキシー(様)ショックで26%、そしてアナフィラキシー(様)反応で 20%が輸血開始後10分以内に発現している。 重篤な副作用の早期発見の為、輸血開始後(5~15分程度)の観察が特に重要である。 また複数の血液製剤を輸血する場合には、血液バッグの交換時毎に同様の観察を行う ことが必要である。蕁麻疹、呼吸困難や発熱は輸血開始後1時間以上で発現している。 輸血関連急性肺障害は、 輸血後数時間以内に発症している。』

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